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2018年02月06日

穴/HOLES 

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ルイス・サッカー
幸田 敦子
講談社文庫 620円・税込

ある日、主人公の少年、スタンリーは無実の罪で少年矯正施設に収容され、一日ひとつ、大きな穴を掘るという罰を科される。監視役の大人たちの理不尽さなどに苦しめられながらも、スタンリーは周囲の仲間と協力しつつ、苦境と戦い続ける。そんな中で、この穴掘りが単なる矯正を目的としたものではなく、何かを探すためのものであることを知ったスタンリーたちは……。
全米図書賞とニューベリー賞を受賞している本作は、カテゴリー的には児童文学ですが、その面白さについては、読み手の年齢を問いません。話の途中、前述のあらすじに加え、スタンリーの先祖にまで遡るサブストーリーが展開されます。物語の舞台も突然大きく移動するため、読んでいる最中には、正直少し戸惑うところもあるかもしれません。
しかし、読み進めていくにつれて、それぞれの物語がパズルのように組み合わさっていくので、何度も読み返して、そのつながりを確認したくなるようになっています。また、自らの不運を全て先祖のせいだと考え、どんなことに対しても前向きに取り組む意志のない少年だったスタンリーが、様々な苦しい体験や仲間との拘留を通じて、成長していく姿にも大いに魅了されます。
そのように様々な要素を持つ作品であるため、他の作品ではなかなか得がたい爽快感や満足感を、読み終わった時に感じることができるのです。
2003年には映画化もされています。当時日本では公開されなかったものの、現在はDVDで観ることができます。物語の世界観がしっかり表現されており、一見の価値がある映画となっています。(T)
posted by 紫雲国語塾 at 14:02| 大分 ☀| Comment(0) | 紫雲の本棚から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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