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2018年08月29日

101年目の孤独――希望の場所を求めて

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高橋源一郎
岩波書店 1,800円+税

朝日新聞に、作家・高橋源一郎さんによるルポルタージュの大きなコラムが定期的に掲載されていました。個人の幸福と富の追求ばかりが無前提に信じられている時代に、そうではない視点を示してくれる、数少ない文章でした。そもそも、作家という職業の人たちが、必ずしもみんな現代という時代にコミットしているわけではないでしょう。現代に自ら関わる作家である彼の、「著者初のルポルタージュ」として世に出た、この本をぜひ読んでほしいです。
表紙裏の紹介文を引用します。

「作家は、さまざまな場所を訪ね歩いた。ダウン症の子どもたちのアトリエ。身体障害者だけの劇団。愛の対象となる人形を作る工房。なるべく電気を使わない生活のために発明をする人、クラスも試験も宿題もない学校。すっかりさま変わりした故郷。死にゆく子どもたちのためのホスピス。足を運び、話を聞き、作家は考える。『弱さ』とは何か。生きるという営みの中に何が起きているのか。文学と社会、ことばと行動の関わりを深く考え続けてきた著者による、はじめてのルポルタージュ」。

ハンディを負った人々、社会的に「弱者」と言われる人たちが暮らす生活の中に、「強者」を目指すよう「マインドセット」された私たちが見失ったものがあります。そのことを教えてくれるこの本で報告されるいくつかの事実は、私たちが気づかないふりをしていられるほど、軽いものではないと思います。(K)
posted by 紫雲国語塾 at 14:04| 大分 ☀| Comment(0) | 紫雲の本棚から | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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